製品安全

Vol.498 4月14日号「劣化した蛍光灯器具による事故」

Vol.498  4月14日号 「劣化した蛍光灯器具による事故」 【PDF:1,351KB】

 皆さんのご自宅や仕事場において蛍光ランプからLED照明への切り替えは、もうお済みですか。実は2027年末までに、一般照明用蛍光ランプの製造・輸出入が終了します(※1)。
 蛍光灯をLED照明に変更するには、「蛍光灯器具ごとLED照明に交換する方法」と「ランプだけをLEDランプに交換する方法」の2種類の方法があります。しかし後者では、古い既設の蛍光灯器具を使い続けると、外観に異常がなくても内部の電気部品が劣化し、発煙・発火につながるおそれがあります。
 今回のPSマガジンでは、そんな「見えないリスク」から身を守るために、既設の古い蛍光灯器具を使い続けて事故に遭わないように、注意喚起を行います。

          

※1 2022年3月及び2023年11月に開催された「水銀に関する水俣条約締約国会議」において、水銀が人や環境に与えるリスクを低減するため、2027 年末までに全ての一般照明用蛍光ランプについての製造・輸出入の禁止が決定されました。

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項目一覧

1.  劣化した蛍光灯器具による事故
2.製品事故収集情報(3月8日~ 3月21日 受付103件)
3.リコール情報 3件
4.その他の製品安全情報
 ・経済産業省「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2026・+あんしん)」応募説明会のご案内
 ・「SAFE-Pro」のご案内(照明器具などの事故データ161件追加)
 ・「NITE SAFE-Lite」のご案内
 ・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について
 ・NITE公式X アカウントのご案内

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1.劣化した蛍光灯器具による事故

【事故事例1】
 蛍光灯器具を使用中に、器具を焼損する火災が発生しました。(2023年 島根県 製品破損)
→蛍光灯器具の安定器(※2)内部で巻線のエナメル(巻線を保護する絶縁皮膜)が脱落し、巻線同士の絶縁性が維持できなくなったために一部でスパークが発生し、事故に至ったものと考えられます。この蛍光灯器具は48年以上使用されていました。
(補足:この事例は、LEDランプの交換による事故ではありません。)
※2 安定器は、蛍光ランプに流れる電流や電圧を一定に保つための補助装置です。LEDランプでは直接電流を流すことで発光し、補助装置の役割をする回路がLED自体に組み込まれているため、安定器は不要です。
 
【事故事例2】
 蛍光灯器具を使用中に、LEDランプを焼損する火災が発生しました。(2018年 東京都 製品破損)
→蛍光灯器具の安定器を取り外す工事をせずにLEDランプを取り付けて使用していた(※3)ところ、送電線事故による瞬時電圧低下時に安定器が正常に働かず異常な電流が発生し、その電流がLEDランプ内部の電源基板に流れて焼損に至ったものと考えられます。この蛍光灯器具は30年以上使用されていました。
※3 この事例は、安定器を取り外す工事が要らないグロースターター式の蛍光灯器具です。ランプだけをLEDランプに交換する方法については、後の「参考資料」の項で詳しくご説明いたします。
 
◆気を付けてほしいポイント
「劣化した蛍光灯器具による事故」を防ぐために
○蛍光灯器具などの照明器具(※4)は「電気製品」で、寿命(耐用年限(※5))があることを理解する
 蛍光灯器具は、単なる「ランプの取り付け台」ではなく、安定器や内部配線などの電気部品を内蔵した「電気製品」であるため、外観に異常が見られなくても内部では劣化が進行している場合があります。特に、器具内の安定器は長年の使用により絶縁性能が低下することがあり、その結果、発煙や発火などの事故に至るおそれがあります。
※4 ランプを取り付けて電力を供給する機能を持つ装置全体のこと。(蛍光灯器具/LED照明器具)
※5 耐用年限:照明器具が部材の経年劣化などによって徐々に劣化して不具合が生じ始めることによる交換及び不具合を生じる頻度が高くなることによる交換を必要とするまでの使用期間。


    


    

○器具の使用年数が10年を超えている場合は「器具ごとLED照明に交換」を検討する
 日本照明工業会では、照明器具を設置してから8~10年を「適正交換時期」、15年を「耐用の限度」としています。蛍光灯器具の銘板に記載されている製造年を確認し、使用年数が目安となる10年を超えている場合は、新しいLED照明に蛍光灯器具ごと交換することを検討しましょう。

     

※銘板記載例の出典:一般社団法人日本照明工業会 LED照明ナビ
 https://www.jlma.or.jp/led-navi/contents/cont13a_checkAndChange.htm


○異常がある場合は、すぐに使用を中止する
 点灯時に「ちらつく」、「異音がする」、「焦げたにおいがする」などの異常を放置すると、発煙・発火につながるおそれがあります。異常が認められた際は、直ちに電源を切って使用を中止してください。
 
参考資料
(1)蛍光灯をLED照明に変更する方法
 ① 蛍光灯器具ごとLED照明に交換する方法
 天井に引掛シーリングなどの配線器具が取り付けられていれば、基本的に工事は不要で、LED照明に照明器具ごと自分で交換することができます。もし天井に配線器具がない場合や、別の形式の取り付けがされている場合は、電気工事業者に工事を依頼する必要があります。

     

 ② 既設の照明器具のまま蛍光ランプを LED ランプに交換する方法
 蛍光灯器具の点灯方式に応じた LED ランプを選定して取り付けます(※6)。
 一見簡単そうに思えますが、この方法には注意点が多くあり、取り付けに関する仕様や手順がランプや照明器具ごとに異なります。このため、注意事項をよく確認しないまま自己判断で取り付けてしまうと、「不適切なランプ交換による事故」を引き起こすおそれがあります。
 また、照明器具と LED ランプの組み合わせによっては、電気工事業者に工事を依頼する必要があります。
※6 蛍光灯器具の点灯方式にはグロースターター式、ラピッドスタート式、インバーター式(半導体式)があり、それぞれの点灯方式に応じたタイプの LED ランプを選ぶ必要があります。
 ・グロースターター式の蛍光灯器具対応のLEDランプの場合、グローランプを取り外して使うタイプと、LEDランプに付属の部品をグローランプソケットに取り付けて使うタイプが一般的です。
 ・ラピッドスタート式やインバーター式の蛍光灯器具にLEDランプを取り付ける場合には電気工事を伴うことが一般的ですが、「電気工事不要」を謳ったLED ランプも販売されています。これらを謳ったLEDランプを購入する場合、パッケージや取扱説明書に書かれている注意事項をよく読み、販売店や電気工事業者に取り付け方法をよく確認することが必要です。
 


(2)蛍光灯器具の事故の傾向
 NITEが2016年から2025年までの10年間に受け付けた「蛍光灯器具の事故」は205件で、全体の事故発生件数は減少傾向にあります。
その一方で、ランプだけをLEDランプに交換していて発生した事故の発生件数が横ばいで推移を続けているのが特徴です。
 電気工事業者に工事を依頼することなく既設の古い蛍光灯器具に、LEDランプを取り付けて使い続けると、安定器などの部品の劣化に起因する事故が今後も続くおそれがあります。
 
■NITE では、3月26 日に注意喚起として『見た目はピカピカ、中身は劣化~10年超え「古い蛍光灯器具」の事故に注意~』をプレスリリースしています。
 今回ご紹介した劣化した蛍光灯器具による事故に関する詳しい分析結果の他にも、蛍光ランプの製造・輸出入の終了の契機となった水銀問題(水銀に関する水俣条約と水銀の有害性について)や、照明器具メーカーが行った蛍光灯に関する消費者の意識調査などについてもご紹介しています。併せてぜひご覧ください。
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/press/2025fy/prs260326.html
新作動画:照明器具「6.蛍光灯からLEDへ交換後、器具の劣化で事故」
 https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/20260326.html
 

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2.製品事故収集情報

◆◆◇    消費生活用製品の事故情報収集状況    ◇◆◆
(3月8日~ 3月21日 受付103件)
     NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
========================================================       
 製品名                   (事故状況と件数)
            
          1. モバイルバッテリー                            ( 火災など  13件 )
          2. 洗面化粧台                                        ( 破損など      9件 )
          3. 電気ケトル(電気湯沸器)                  ( 火災など       6件 )
          4. 電気ストーブ                                     ( 火災など       4件 )
          4. 太陽光発電システム                            ( 火災など       4件 )
========================================================
洗面化粧台は全て同一メーカーのリコール事案(キャビネット落下)になります。
 
◇最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)
 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/information/index.html
 
■事業者・自治体の皆様へ
 事故情報の提供をお願いいたします。
 事故の再発防止のため、有効に活用させていただきます。
 https://www.nite.go.jp/jiko/jikojohou/shushu/index.html

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3.リコール情報

◆輸入:EcoFlow Technology Japan株式会社(法人番号:1010401145409)
販売:三菱メイキエンジン株式会社(現:株式会社Willbe)(法人番号:7180001128535)
「ポータブル電源」2026年4月1日
【詳細】https://willbe-corp.com/about/news/20260401/
 
◆株式会社サンリオ(法人番号:5010701003956)
「バインダー」2026年3月27日
【詳細】https://corporate.sanrio.co.jp/information/20260327/index.html
 
◆株式会社 unybex(法人番号:9430001086144)
「リチウム電池内蔵充電器」2026年3月23日
【詳細】https://www.ezo-inc.jp/recall-ezo-510
 

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4.その他の製品安全情報

◆◆◇  経済産業省「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2026・+あんしん)」
応募説明会のご案内 ◇◆◆
 
 経済産業省では、企業・団体の製品安全への優れた取組を表彰する「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード)」および、誤使用・不注意による製品事故リスクを低減する機能や工夫を備えた製品を評価する「+(プラス)あんしん」制度を実施しており、本年度の応募受付を開始いたします。
 本応募説明会では、PSアワード2026(組織部門)と+あんしん(製品部門)の両制度について、概要や審査のポイント、応募手続き等をまとめてご紹介しますので、応募をご検討中の企業・団体の皆さまは、ぜひ本説明会へのご参加をご検討ください。
 
開催日時:2026年4月30日(木)
第1部:PSアワード2026説明会 15時00分~16時00分
第2部:+あんしん説明会 16時30分~18時00分
開催方法:
・会場参加(経済産業省別館7階 共創空間「ベツナナ」)
・オンライン参加(Zoomウェビナー)
プログラム(案):
【第1部:PSアワード2026】
1.制度説明
2.審査概要及び事務手続き説明
3.審査の観点と受賞事例の説明
4.質疑応答
【第2部:+あんしん】
1.制度説明
2.審査概要及び事務手続き説明
3.リスクアセスメント講座
4.審査の観点と受賞事例の説明
5.質疑応答
※プログラムの内容は、今後変更となる可能性があります。
申込方法:以下の申込フォームよりお申し込みください。
https://area18.smp.ne.jp/area/is?SMPFORM=ogle-mcrdkc-c5a1790efc55fb4996d131a45afe5e85
関連資料:以下のURLをクリックしてダウンロードください。
https://area18.smp.ne.jp/area/table/52604/60h_k9/M?S=talds2mfnjkg
 
【お問い合わせ先】
株式会社 NTTデータ経営研究所
「製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2026・+あんしん)」応募説明会事務局
E-mail:ps-award@nttdata-strategy.com
電話:03-6261-4629(輿石(こしいし)・石上)
 
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◆◆◇  「SAFE-Pro」のご案内 ◇◆◆
(照明器具などの事故データ161件追加)
 
 NITEでは、主に製造事業者やその関係者の皆様に対してSAFE-Proというサービスを提供しております。
「SAFE-Pro」は、製品のリスクアセスメントに有効な信頼性解析手法であるFMEA・FTAの考え方を利用して、NITEが保有する製品事故情報を事故発生シナリオとして参照・検索できる無料のツールです。
 製造事業者やその関係者の皆様が安全性の高い製品を製造・提供するために実施するリスクアセスメントに活用できます。
 
 この度、SAFE-Proに照明器具などの事故データ161件を追加しました。
 今回の追加により、SAFE-Proの提供データは、33製品、5703件になりました。
 対象製品やデータの更新履歴は、SAFE-ProのWebページでご確認ください。
 まだSAFE-Proをご利用になられていない方は、是非この機会にSAFE-ProのWebページからご利用申請いただけますと幸いです。
 Webページ内には、プロモーション動画や「SAFE-Proを活用した事業連携、推薦者の声」、ご利用事業者様一覧、FAQページなども掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
 
 製造事業者やその関係者の皆様がSAFE-Proを活用し、安全な製品が市場に流通することで、皆様の安全で豊かな暮らしが創出されることを期待しております。
 
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◆◆◇  「NITE SAFE-Lite」のご案内 ◇◆◆
 
 NITE は、より安心・安全な社会になることを目指して、製品安全に関する情報を発信しており、NITE のウェブサイトで、製品事故の調査結果、リコール情報や誤使用に関する注意喚起などを提供しています。その中で、製品事故情報をどなたでも簡単にウェブ検索できるシステムとして、「NITE SAFE-Lite」というサービスを提供しています。
 
「NITE SAFE-Lite」は、サービス開始以来、多くの方にご活用いただいています。スマートフォンの小さな画面とタッチ操作に配慮したシンプルな操作性で、6 万件にも及ぶ製品事故情報を専門用語(例えば「異音」)でなく普段お使いの言葉(例えば「ガラガラ」)で検索できます。
 
「NITE SAFE-Lite」で製品事故を検索すると、同じ現象の事故だけではなく、よく似た事故情報も表示されます。これにより、様々な視点から事故となる危険性やその場合の被害状況などが「見える化」され、事故の未然防止につながります。
 
【NITE SAFE-Lite】
 https://safe-lite.nite.go.jp/
 
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       ◆◆◇ 消費生活用製品の重大製品事故に係る公表について ◇◆◆
 
                                    消費者庁
 
 消費者庁は、消費生活用製品安全法第35条第1項の規定に基づき報告のあった重大製品事故について、以下のとおり公表しています。

 04/10 10件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260410_01.pdf

 04/07 7件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260407_01.pdf

 04/03 14件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260403_01.pdf

 03/31 8件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260331_01.pdf

 03/27 21件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260327_1.pdf

 03/24 13件
 https://www.caa.go.jp/notice/assets/consumer_safety_cms202_260324_01.pdf
 
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◆◆◇ NITE公式Xアカウントのご案内 ◇◆◆
 
 NITEでは、公式アカウントを開設しています。
 Xでも、シーズンに合わせて、皆様の生活の安全を守るためにどんどん発信していきますので、フォローやいいねをお待ちしております!
 
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編集後記

 私は、就寝時に蛍光灯器具のナツメ球(常夜灯)を点灯させて寝る派です。習慣もありますが、電球色の薄明かりは落ち着いて寝付きやすい感じです。部屋が真っ暗でないと寝付けないという人もいますよね。皆様はどちら派でしょう。
 さて新年度がはじまり生活環境が変わられた方も多いのではないでしょうか。新しい環境には少しずつ慣れていきますが、心が落ち着いてくると睡眠の質も自然と調ってくるそうです。どうか皆様の新しい毎日が心地よいものとなり、ぐっすりと眠れる日々が訪れますよう、お祈りいたします。

お問い合わせ

独立行政法人製品評価技術基盤機構 製品安全センター  製品安全広報課
TEL:06-6612-2066  FAX:06-6612-1617
住所:〒559-0034 大阪市住之江区南港北1-22-16 地図